5文型シリーズ第3弾は 第3文型「S+V+O」 です。第1文型 SV が「主語の動作・存在」、第2文型 SVC が「主語の状態(S=C)」を表す型だったのに対し、第3文型は 主語が「何かに対して」動作する 型です。I love you. She reads books. He has a pen. ― これらはすべて第3文型で、英会話で使う英文の半分以上はこの型に分類されます。
ところがこの「目的語(O)」が学習者の頭を悩ませます。「I live in Tokyo. の Tokyo も目的語?」「discuss about ではダメなの?」「I am a student. も S+V+名詞だけど SVO?」と疑問が次々わいてきます。本記事では、第3文型の本質 を「S → V → O の矢印関係」と「他動詞」の 2 軸で整理し、第1文型・第2文型との混同や自他動詞の違いまで含めて、初心者向けに徹底解説します。

第3文型とは ― 「S → V → O」の矢印で動作が対象に届く文型
第3文型は、主語(S)+ 動詞(V)+ 目的語(O) で成り立つ英文の型です。第2文型との決定的な違いは、動詞の後ろに来る語が「主語と等しい情報」ではなく、「動作を受ける対象」であることです。

最も短い第3文型は、たった 3 語で完成します。
I love you.
私はあなたを愛している。
I(主語)から you(目的語)へ、love という動作の矢印が伸びています。S と O は別の人・物で、動作が S から O に向かう ― これが第3文型の本質です。
実際の会話では、これに 時間・場所・頻度などの修飾語 M を足して使うのが普通です。
She reads books every day.
彼女は毎日本を読む。
この文の核は She reads books(S+V+O)で、every day は時の修飾語 M です。文型を判定するときは M を外しても文として成立するかを見ます。
She reads books every day. →
every dayを外しても「She reads books.」で成立 → 核は SVO
第3文型の核は S → V → O の矢印。S と O は 別の人・物。第2文型 SVC(S = C)と違って、S と O はイコール関係ではない。I love you. の I と you は別人、I am a student.(SVC)の I と a student は同じ人。
他動詞 ― 第3文型の動詞
第3文型で使われる動詞は 他動詞(たどうし) と呼ばれます。「動作が主語以外の対象に及ぶ」動詞、つまり目的語(O)を必要とする動詞のことです。
| 動詞のタイプ | 例 | 構造 |
|---|---|---|
| 自動詞 | run, go, come, sleep, smile | S + V |
| 他動詞 | love, like, have, eat, read, know | S + V + O |
run(走る)は「何を走る」と目的語が要らないので自動詞 → 第1文型。一方 love(愛する)は「何を愛する」と目的語が必須なので他動詞 → 第3文型です。
第1文型の I run. は 2 語で完結しますが、I love. だけでは「私は愛する」だけで「何を愛するの?」と聞き返したくなります。他動詞は目的語がないと意味が完結しない ― これが自動詞との決定的な違いです。
第3文型の本質 ― 「動作が対象に向かう」4 大グループ
第3文型で使われる他動詞は意味によって、大きく 4 つのカテゴリに分けると覚えやすいです。

| カテゴリ | 他動詞 | 意味 |
|---|---|---|
| 所有・関係 | have / own / get / receive | 〜を持つ・得る |
| 好嫌・感情 | love / like / hate / want / need | 〜が好き・欲しい |
| 動作・操作 | make / read / write / open / close / use | 〜を作る・読む・操作する |
| 知覚・思考 | know / think / believe / understand / see / hear | 〜を知る・考える・知覚する |
どれも「S が O に対して何かをする」という共通構造です。日本語訳が「〜に」「〜を」のどちらに見えても、英語では 目的語の前に前置詞は付かない のが原則。これが第3文型のいちばん大事なルールです。
日常英会話の頻出 SVO パターン 6 選
ネイティブが日常会話で連発する SVO の代表 6 パターンを例文で確認します。
パターン 1: have ― 「〜を持つ・〜がある」(所有)
I have a pen.
私はペンを持っている。
I have a pen. ― 「私はペンを持っている」。have は 所有 を表す代表的な他動詞。a pen が目的語 O です。have a brother(兄がいる)/ have a question(質問がある)/ have time(時間がある)など、抽象名詞も目的語に取れます。
パターン 2: like ― 「〜が好き」(感情)
I like coffee.
私はコーヒーが好きだ。
I like coffee. ― 「私はコーヒーが好き」。日本語では「コーヒーが好き」と「が」を使うので主語に見えがちですが、英語では coffee が 動作の対象(O) です。like / love / hate / prefer などの感情動詞はすべて他動詞で、第3文型を作ります。
パターン 3: make ― 「〜を作る」(動作)
She makes dinner every evening.
彼女は毎晩夕食を作る。
She makes dinner every evening. ― 「彼女は毎晩夕食を作る」。make + 名詞 で「〜を作る」。make a cake(ケーキを作る)/ make a plan(計画を立てる)/ make a mistake(間違える)など、抽象的な対象にも使えます。every evening は時の修飾語 M。
パターン 4: read ― 「〜を読む」(動作)
I read books on weekends.
私は週末に本を読む。
I read books on weekends. ― 「私は週末に本を読む」。read は他動詞で目的語 books を直接取ります。日本語の「本を読む」の「を」が英語ではゼロ ― ここに「前置詞がいるかも?」と迷う必要はありません。
パターン 5: know ― 「〜を知っている」(思考)
I know him well.
私は彼をよく知っている。
I know him well. ― 「私は彼をよく知っている」。know は 知覚・思考 系の他動詞。目的語には人(him)も物(the answer)も取れます。well は動詞を修飾する副詞(程度の M)。
パターン 6: want ― 「〜を欲しい・求める」(願望)
I want a new car.
私は新しい車が欲しい。
I want a new car. ― 「私は新しい車が欲しい」。want も他動詞で、後ろに目的語が直接続きます。後述しますが、want は 動詞の原形をいきなり目的語にできない ので注意。「〜したい」と言いたいときは want to + 動詞の原形 の形(不定詞)を使います。
他動詞の後ろの目的語には 前置詞を付けない。I like coffee.(○)/I like for coffee.(×)。日本語の「〜が」「〜を」「〜に」につられて前置詞を入れたくなるが、他動詞は 目的語を直接抱える のが鉄則。
目的語のバリエーション ― 名詞・代名詞・動名詞・to 不定詞・that 節
第3文型の目的語 O には、単純な名詞だけでなく、いろいろな形が入ります。「動詞の後ろに来る『何を』にあたる名詞句」と捉えると整理しやすいです。
| 目的語のタイプ | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| 名詞 | I have a pen. | 最も基本。冠詞・修飾語付きの名詞句もここに入る |
| 代名詞(目的格) | I know him. | 人称代名詞は目的格に変化(he → him、she → her、we → us) |
| 動名詞 | She enjoys swimming. | 動詞の ing 形で「〜すること」 |
| to 不定詞 | I want to study English. | to + 動詞の原形で「〜すること」 |
| that 節(O 節) | I think that he is right. | that + S + V のかたまり全体が O |
代名詞は「目的格」に変化する
人称代名詞は、主語(S)と目的語(O)で形が変わります。he(彼は)→ him(彼を/に)、she(彼女は)→ her、I(私は)→ me といった具合です。
I love her very much.
私は彼女をとても愛している。
I love her very much. ― 「私は彼女をとても愛している」。her(彼女を)は she(彼女は)の目的格。very much は動詞 love を修飾する副詞句で M です。「I love she.」のように主格を入れてしまうのは典型ミスなので注意。
動名詞・to 不定詞も目的語になれる
「〜すること」を目的語にしたいときは、動名詞(〜ing) か to 不定詞(to + 原形) を使います。動詞によってどちらを取るかが決まっていますが、第3文型の構造としては同じです。
She enjoys swimming.
彼女は泳ぐのを楽しむ。
She enjoys swimming. ― 「彼女は泳ぐのを楽しむ」。enjoy は 動名詞のみ を目的語に取る代表的な動詞。enjoy to swim は誤りです。
I want to study English.
私は英語を勉強したい。
I want to study English. ― 「私は英語を勉強したい」。want は to 不定詞のみ を目的語に取ります。want studying は誤り。
動名詞と to 不定詞の使い分けは別記事の「不定詞 vs 動名詞」で詳しく扱っているので、興味があればそちらも参照してください。
that 節(O 節)
「S が V する」という節そのものを目的語にしたいときは、that + S + V の形を使います。文法上は O 節 とも呼ばれます。
I know that she is kind.
私は彼女が親切だと知っている。
I know that she is kind. ― 「私は彼女が親切だと知っている」。that she is kind(彼女が親切であること)全体が know の目的語です。that は 接続詞 で、口語ではしばしば省略されます(I know she is kind.)。
think / believe / know / hope / say のような 思考・発言系の他動詞 は、that 節を目的語に取る代表的な動詞です。
他文型との混同を防ぐ ― SV / SVC との見分け方
第3文型の判定で迷う場面は決まっています。第1文型 SV+M との混同と、第2文型 SVC との混同です。

混同 1: 第1文型 SV+M との見分け(前置詞句は O ではない)
I live in Tokyo. の in Tokyo は前置詞句で、目的語ではなく修飾語 M です。
I live in Tokyo.
私は東京に住んでいる。
I live in Tokyo. ― 「私は東京に住んでいる」。live は自動詞で、後ろの in Tokyo は どこに住んでいるか を補足する場所の M。live 自体は目的語を取らないので、文型は SV+M(第1文型)です。
一方、見た目が似ている次の文は第3文型です。
I love Tokyo.
私は東京を愛している。
I love Tokyo. ― 「私は東京を愛している」。love は他動詞で、Tokyo を 直接 目的語として取ります。前置詞は不要です。
| 例文 | 動詞の種類 | 後ろの語 | 文型 |
|---|---|---|---|
| I live in Tokyo. | 自動詞 | in Tokyo = 場所の前置詞句(M) | SV |
| I love Tokyo. | 他動詞 | Tokyo = 直接の目的語(O) | SVO |
| I go to school. | 自動詞 | to school = 方向の前置詞句(M) | SV |
| I visit the school. | 他動詞 | the school = 直接の目的語(O) | SVO |
判定のコツは、動詞のあとに前置詞があるかどうか。前置詞があれば自動詞 → SV、なければ他動詞 → SVO です。
混同 2: 第2文型 SVC との見分け(S = O ではない)
I am a student.(第2文型 SVC)と I have a brother.(第3文型 SVO)はどちらも I + 動詞 + 名詞 という同じ並びですが、文型は別物です。
I am a student.
私は学生だ。
| 例文 | I と後ろの語の関係 | 文型 |
|---|---|---|
| I am a student. | I = a student(自分自身が学生) | SVC |
| I have a brother. | I ≠ a brother(兄は別人) | SVO |
| I love you. | I ≠ you(自分と相手は別人) | SVO |
S と後ろの語が「同じ人・物」なら C、別物なら O ―― この一点で見分けます。
- Step 1: 動詞の後ろが 前置詞 + 名詞? → なら M(第1文型)
- Step 2: 動詞の後ろの名詞が S と 等しい? → なら C(第2文型)
- Step 3: 動詞の後ろの名詞が S と 別物? → なら O(第3文型)
第3文型の否定文・命令文・疑問文
第3文型は 一般動詞(他動詞) を使うので、否定・疑問の作り方は第1文型の一般動詞ルールと同じです。be 動詞ルールではなく、do / does / did を使う側です。
否定文 ― 「〜しない」を表す
| 形 | ルール | 例 |
|---|---|---|
| 否定 | 動詞の 前に do/does/did + not | I don't like coffee. / She doesn't know him. / He didn't read the book. |
I don't like coffee.
私はコーヒーが好きではない。
I don't like coffee. ― 「私はコーヒーが好きではない」。don't は do not の短縮形。他動詞は原形に戻す(like のまま、likes にしない)のがポイントです。
命令文 ― 「〜しなさい」を表す
第3文型の命令文は、動詞の原形 + 目的語 が定型です。「ドアを開けて」「これを取って」など、相手に何かをさせる場面で頻出します。
Open the door.
ドアを開けて。
Open the door. ― 「ドアを開けて」。主語の You は省略され、動詞の原形 Open から始めます。後ろに目的語 the door を直接続けるのが第3文型の命令文。
Don't open the door.
ドアを開けないで。
Don't open the door. ― 「ドアを開けないで」。否定命令は Don't + 動詞の原形 + O。Don't touch this.(これに触らないで)/ Don't tell anyone.(誰にも言わないで)も同型です。
疑問文 ― 「〜しますか?」を尋ねる
| 形 | ルール | 例 |
|---|---|---|
| Yes/No 疑問 | 文頭に Do/Does/Did | Do you have a pen? / Does she like coffee? |
| Wh- 疑問 | 疑問詞 + Do/Does/Did + S + V | What do you have? / What does she want? |
Do you have a pen?
ペンを持っていますか?
Do you have a pen? ― 「ペンを持ってる?」。Do(助動詞)+ you(S)+ have(V の原形)+ a pen(O)の語順。本動詞は 必ず原形 に戻します。
疑問詞 What で目的語を尋ねる
「何を〜する?」と 目的語の中身を尋ねる ときは、What を文頭に置きます。
What do you have?
何を持っているの?
What do you have? ― 「何を持ってるの?」。What が目的語の代わりに文頭に立ち、答えは I have a pen. のように O を埋めて返します。What do you want? / What does she like? も同型で、英会話の最頻出パターンの 1 つです。
- 否定: do/does/did + not を動詞の前に。本動詞は 原形
- 命令: 動詞の原形 + O から始める。否定は Don't + 原形 + O
- 疑問: Do/Does/Did を文頭。Wh- は What を文頭 に立てて目的語を尋ねる
よくある誤用例
誤用 1: 他動詞に余計な前置詞を付けてしまう
日本語の「〜について話し合う」「〜と結婚する」につられて、discuss や marry に前置詞を付けてしまうのは定番ミスです。
discuss は他動詞で、目的語を 直接 取ります。about は不要です。
正しい形:
We discussed the problem.
私たちはその問題について話し合った。
同じように、marry(〜と結婚する)も他動詞。marry with him ではなく marry him です。
She married him.
彼女は彼と結婚した。
discuss / marry / enter / attend / mention / approach / reach などは、日本語訳に「〜について」「〜と」「〜に」が入る他動詞の代表格。前置詞を入れたくなったら他動詞かどうか確認する 癖をつけましょう。
誤用 2: 自動詞に直接目的語を付けてしまう
逆に、go(行く)や arrive(着く)のような自動詞に、目的語を 直接 付けてしまう誤用もあります。
go は自動詞なので、場所を表すには 前置詞 to が必要です(go to school)。これは第1文型の記事でも触れた通り。他動詞か自動詞かはセットで覚える のが英語学習の鉄則です。
誤用 3: 代名詞を主格のまま目的語にする
代名詞は、目的語の位置では 目的格 に変化します。I love she. のように主格を入れると不自然です。
正しい形:
I love her very much.
私は彼女をとても愛している。
he → him / she → her / we → us / they → them / I → me のセットを覚えておきましょう。you と it は主格・目的格が同形で形が変わりません。
- 他動詞は 目的語を直接(前置詞なし)取る ―
discuss the problem(○) - 自動詞には 前置詞 が必要 ―
go to school(○) - 代名詞の目的語は 目的格(him / her / me / us / them)
まとめ
- 第3文型(S+V+O) は、S → V → O の矢印 で動作が対象に届く英文の型
- 動詞は 他動詞(目的語を必須とする動詞)を使う
- 他動詞は意味で 所有・好嫌・動作・知覚思考 の 4 グループに分類すると覚えやすい
- 目的語 O は 名詞・代名詞・動名詞・to 不定詞・that 節 の多彩な形を取れる
- 第1文型 SV+M との違いは「前置詞が付くか/直接 O が来るか」
- 第2文型 SVC との違いは「S と後ろの語が同じか/別物か」
- 否定・疑問は do/does/did を使う一般動詞ルール。本動詞は 原形 に戻す
第3文型は英会話の主役です。I love you. I have a question. She reads books. のような短文を瞬時に組み立てられるようになると、自分の行動・好み・考えを伝える表現の幅が一気に広がります。
次回は 第4文型 SVOO(〜に〜を)です。第3文型で覚えた「動詞 + 目的語」が、いきなり 2 つの目的語を従える型に進化します。I gave him a book.(彼に本をあげた)のような、英会話で頻出する「与える系」のパターンを扱います。お楽しみに。
