英文法を学び始めて最初に出会うのが「5文型」です。中でも第1文型「S+V」は最もシンプルな型ですが、実は日常英会話の半分以上がこの型を中心に動いています。I go. She came. He is here. ― こうした短い英文は、すべて第1文型の仲間です。
ところが多くの学習者が「S+V だけだと文が短すぎて使い物にならないのでは?」「I live in Tokyo. の in Tokyo も文型の一部では?」と混乱します。本記事では、第1文型の本質 を「存在」と「動作」の 2 つの軸で整理し、修飾語 M との関係や日常会話での具体例まで、初心者向けに徹底解説します。
第1文型とは ― 主語と動詞だけで成立する最小の英文
第1文型は、主語(S)と動詞(V)だけで意味が完結する 英文の型です。文法書では「S+V」と表記されます。

最も短い第1文型は、たった 2 語で文になります。
I run.
私は走る。
I(主語)と run(動詞)だけで「私は走る」という意味が完結します。これが第1文型の最小形です。
ただし実際の会話では、これに 時間・場所・頻度などの追加情報 を足して使うのが普通です。
She lives in Tokyo.
彼女は東京に住んでいる。
この文の核は She lives = S+V で、in Tokyo(東京に)は 修飾語 M(Modifier) という追加情報です。文型を判定するときは M を外しても文として成り立つかを見ます。
She lives in Tokyo. →
in Tokyoを外しても「She lives.(彼女は住んでいる)」で文として成立 → 核は SV
第1文型は「S+V だけで成り立つ」が、実際の会話では 修飾語 M で文を膨らませる のがほとんど。文型判定では M をいったん外して核を見る のがコツ。
自動詞 ― 第1文型の動詞
第1文型で使われる動詞は 自動詞(じどうし) と呼ばれます。「自分の動作で完結する」動詞、つまり目的語(O)を必要としない動詞のことです。
| 動詞のタイプ | 例 | 構造 |
|---|---|---|
| 自動詞 | run, go, come, sleep, smile | S + V |
| 他動詞 | eat, like, buy, read | S + V + O |
run(走る)は「何を走る」と目的語が要らないので自動詞 → 第1文型。一方 eat(食べる)は「何を食べる」と目的語が必要なので他動詞 → 第3文型(SVO)になります。
第1文型の本質 ― 「存在する」と「動く」の 2 大グループ
第1文型は、意味の上で大きく 2 つに分けられます。「存在する」 と 「動く」 です。

グループ 1: 存在を表す SV
be 動詞(is / am / are / was / were)は、補語(C)を伴うと第2文型(I am happy.)になりますが、「いる/ある」という存在の意味で使うと第1文型 になります。
He is here.
彼はここにいる。
He is here. ― 「彼はここにいる」。here(ここに)は副詞で M なので、核は He is(S+V)です。be 動詞 = <である>だけ と思っていると、この使い方を見落とします。
My phone is on the table.
私のスマホはテーブルの上にある。
「私のスマホはテーブルの上にある」。on the table は前置詞句で M。位置や所在を表す be 動詞も第1文型 です。
グループ 2: 動作を表す SV
run(走る)、go(行く)、come(来る)、fly(飛ぶ)、smile(微笑む)など、主語が何かをする 動詞のうち目的語をとらないものは、すべて第1文型です。
Birds fly.
鳥は飛ぶ。
Birds fly. は 2 語だけの完璧な英文。鳥は「何を飛ぶ」必要がないので、fly は自動詞、文型は SV です。
The sun rises in the east.
太陽は東から昇る。
The sun rises in the east. ― 「太陽は東から昇る」。rise(昇る)は自動詞で、in the east は M。これも第1文型です。
be 動詞は「〜です」だけでなく「〜にいる/ある」の意味で使うと第1文型になる。There is/are 構文も同じ仲間。
日常英会話の頻出パターン 6 選
第1文型は、ネイティブが日常会話で連発する型です。よく使われる 6 パターンを例文で確認します。
パターン 1: go ― 「行く」
I go to school every day.
私は毎日学校に行く。
I go to school every day. ― 「私は毎日学校に行く」。to school は前置詞句で M、every day も時の M。核は I go(S+V)です。go は自動詞なので、必ず to + 場所 のように 前置詞をはさむ のがポイント。
パターン 2: live ― 「住む・暮らす」
She lives in Tokyo.
彼女は東京に住んでいる。
live も自動詞。in Tokyo with my family のように、前置詞句を伴って詳細を加えていきます。
パターン 3: work ― 「働く」
She works at a hospital.
彼女は病院で働いている。
She works at a hospital. ― 「彼女は病院で働いている」。work は自動詞で「働く」の意味。場所は at + 場所 で表します。
パターン 4: talk ― 「話す」
We talked for an hour.
私たちは1時間話した。
We talked for an hour. ― 「私たちは 1 時間話した」。talk は「(誰かと)話す」という自動詞で、目的語ではなく for an hour(時間)や with friends(相手)など M で詳細を補足します。
パターン 5: come ― 「来る」
He came home late last night.
彼は昨夜遅く帰宅した。
He came home late last night. ― 「彼は昨夜遅く帰宅した」。come は自動詞、home は副詞(「家へ」)、late も副詞、last night は時の M。すべて修飾語ですが、核はやはり He came(S+V)です。
パターン 6: smile ― 「微笑む」
She smiled at me.
彼女は私に微笑んだ。
She smiled at me. ― 「彼女は私に微笑んだ」。smile は自動詞で、相手は at + 人 で示します。感情を表す自動詞(laugh, cry, worry など)も同じ仲間です。
第3文型 (SVO) との混同を防ぐ ― 自動詞と他動詞の見分け方
第1文型と第3文型を見分けるコツは、動詞のあとに「目的語」が直接来るかどうか です。

| 動詞 | 種類 | 構造 | 例 |
|---|---|---|---|
| go | 自動詞 | S + V + (前置詞 + 場所) | I go to school. |
| visit | 他動詞 | S + V + O | I visit the school. |
| arrive | 自動詞 | S + V + (前置詞 + 場所) | He arrived at Tokyo. |
| reach | 他動詞 | S + V + O | He reached Tokyo. |
| listen | 自動詞 | S + V + (前置詞 + 物) | I listen to music. |
| hear | 他動詞 | S + V + O | I hear music. |
同じ「学校に行く/訪れる」「東京に着く/到達する」「音楽を聴く」でも、動詞によって前置詞の有無が変わります。これは英語学習者が最も間違えやすいポイントです。
動詞を覚えるときは 「自動詞か他動詞か」もセットで覚える。go to / arrive at / listen to のような 「自動詞 + 前置詞」のセットを丸ごと暗記するのが近道。
句動詞・前置詞句との組み合わせ ― SV を会話で使える表現に
第1文型をさらに会話で使えるレベルにするには、句動詞(くどうし) や 前置詞句との組み合わせ に慣れる必要があります。
句動詞 ― 動詞 + 副詞 / 前置詞のセット
句動詞とは、get up(起きる)、sit down(座る)、come back(戻る)のように、動詞と副詞・前置詞がセットで 1 つの意味を作る表現 です。
I get up at seven.
私は7時に起きる。
I get up at seven. ― 「私は 7 時に起きる」。get up で「起きる」という自動詞のかたまり。at seven は時の M。第1文型です。
日常会話でよく使う句動詞(自動詞タイプ)の一例:
| 句動詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| get up | 起きる | I get up at seven. |
| sit down | 座る | Please sit down. |
| stand up | 立つ | He stood up. |
| come back | 戻る | She came back yesterday. |
| go out | 出かける | We went out for dinner. |
| wake up | 目覚める | I woke up at six. |
前置詞句で「いつ・どこ・誰と」を足す
第1文型に 前置詞句(前置詞 + 名詞) を足すと、英文がぐっと自然になります。
| 前置詞 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| in / at / on | 場所・時間 | live in Tokyo / work at home |
| for | 期間 | talk for an hour |
| with | 同伴 | go with my friend |
| to | 方向 | come to the party |
| from | 出発点 | come from Osaka |
これらをいくつ重ねても文型は第1文型のまま変わりません。前置詞句は何個あっても M、ということです。
第1文型の否定文・命令文・疑問文 ― 文の形を変える基本ルール
ここまで肯定文の例を見てきましたが、実際の会話では「〜しない」「〜しなさい」「〜しますか?」のように、文の形を変えて使う場面が大半です。第1文型でも、be 動詞か一般動詞か で否定・疑問の作り方が変わるので、ここで一度整理しておきましょう。
否定文 ― 「〜しない/〜にいない」を表す
否定文の作り方は、動詞の種類で 2 パターンに分かれます。
| 動詞の種類 | ルール | 例 |
|---|---|---|
| be 動詞 | be 動詞の 直後に not | He is not here. / He isn't here. |
| 一般動詞 | 動詞の 前に do/does/did + not | I do not live here. / She doesn't live here. / He didn't come. |
He isn't here.
彼はここにいない。
isn't は is not の短縮形。会話では短縮形が圧倒的によく使われます。
She doesn't live here.
彼女はここに住んでいない。
一般動詞の否定では、do / does / did は「助動詞 M」、本動詞は原形 に戻ります。She doesn't lives のように動詞に s を付けてしまうのは典型ミスなので注意してください。
命令文 ― 「〜しなさい」を表す
命令文は、主語 you を省略して動詞の原形から始める のが基本ルールです。第1文型の動詞は自動詞なので、命令文もシンプルに動詞 1 語で成立します。
| パターン | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 肯定の命令 | 動詞の原形 〜 | Sit down. / Come here. / Run! |
| 否定の命令 | Don't + 動詞の原形 〜 | Don't run. / Don't be late. |
| be 動詞の命令 | Be + 形容詞 / 副詞 〜 | Be quiet. / Be careful. |
Sit down.
座りなさい。
主語の You は表面には現れませんが、文型としては隠れた S を含めて第1文型 S+V として扱います。
Don't run.
走るな。
否定命令では Don't が動詞の前に置かれます。Don't be late.(遅れるな)のように、be 動詞の命令文でも否定は Don't を使う のがポイント。Aren't be late. のように be 動詞の否定形を使うのは誤りです。
命令文は 主語 you を省略して動詞の原形で始める。否定は Don't、be 動詞でも否定は Don't be 〜。文末に please を足すと丁寧になる(Sit down, please.)。
疑問文 ― 「〜しますか?/〜にいますか?」を尋ねる
疑問文も、be 動詞か一般動詞かで作り方が変わります。
| 動詞の種類 | ルール | 例 |
|---|---|---|
| be 動詞 | be 動詞を 文頭に出す | Is he here? / Are you ready? |
| 一般動詞 | 文頭に Do/Does/Did を置く | Do you live in Tokyo? / Does she work here? / Did he come? |
Are you ready?
準備はできてる?
be 動詞は単独で文頭に出るだけで疑問文になります。最もシンプルなパターンです。
Do you live in Tokyo?
あなたは東京に住んでいますか?
一般動詞の疑問文では、Do/Does/Did が文頭に立ち、主語のあとの動詞は原形 に戻ります。3人称単数の s や過去形の ed は do の方に吸収されるイメージです。
疑問詞を使った疑問文(Wh- 疑問文)
「どこで?」「いつ?」「誰が?」を尋ねるときは、文頭に 疑問詞 を置いて続けます。
Where does she live?
彼女はどこに住んでいるの?
Where does she live? ― 「彼女はどこに住んでいるの?」。Where(場所を尋ねる疑問詞)+ does(助動詞)+ she(S)+ live(V の原形)の語順。主語が疑問詞の場合(Who lives here? など)は do/does が不要で、動詞がそのまま続く点も覚えておきましょう。
- be 動詞: not は 直後、疑問は 文頭に出す(do/does は不要)
- 一般動詞: do/does/did を使う。本動詞は 原形に戻す
- 命令文: 主語省略・動詞の原形から始める。否定は Don't
よくある誤用例
誤用 1: 自動詞に直接目的語をつけてしまう
go(行く)を他動詞のように使ってしまう間違いが定番です。
go は自動詞なので、目的語を直接とれません。場所を表すには 前置詞 to が必要です。
正しい形:
I go to school every day.
私は毎日学校に行く。
誤用 2: 自動詞に不要な前置詞をつけてしまう
逆に、arrive(到着する)に 不要な to をつけてしまうのも頻出ミスです。
arrive は at(地点)または in(広い場所) を伴います。to は使いません。
正しい形:
He arrived at Tokyo Station.
彼は東京駅に到着した。
arrive at とセットで覚えるのが鉄則です。
誤用 3: 他動詞 reach に前置詞をつけてしまう
reach(〜に到達する)は 他動詞 なので、目的語を直接とります。arrive と意味が似ているので混同しがちですが、構造はまったく違います。
正しい形:
He reached the station.
彼は駅に到達した。
- go / arrive / listen(自動詞)→ 前置詞が必要
- visit / reach / hear(他動詞)→ 前置詞は不要
- 動詞は 自動詞か他動詞か をセットで覚える
まとめ
- 第1文型(S+V) は、主語と動詞だけで意味が完結する最小の英文の型
- 動詞は 自動詞(目的語をとらない動詞)を使う
- 本質は 「存在する」(be 動詞) と 「動く」(go, come, run など) の 2 グループ
- 日常会話では 修飾語 M(前置詞句・副詞) を足して文を膨らませる
- 第3文型(SVO)との見分けは「動詞のあとに直接目的語が来るか」で判断する
go to/arrive at/listen toのような 「自動詞+前置詞」 はセットで覚える
第1文型は地味に見えて、実は日常英会話の屋台骨です。I go. She came. He is here. といった短い文を瞬時に組み立てられるようになると、英会話の流れが格段にスムーズになります。次は第2文型(SVC)や第3文型(SVO)の記事も読んで、5文型を一通り押さえていきましょう。
