中学3年で学ぶ英文法は、中1・中2で築いた土台の上に 「視点の切り替え」「時間のつながり」「名詞の拡張」 を加える段階です。受動態で「される側」から文を見たり、現在完了で過去と現在をつなげたり、分詞や関係代名詞で名詞を後ろから説明したり ― 英語の表現が一気に大人びます。
この記事では中学英語総復習シリーズの 3 本目として、中3英文法の核心(受動態/SVOC/現在完了/不定詞応用/間接疑問文/後置修飾と関係代名詞/前置詞)を 1 記事で総復習します。高校英語との橋渡しとして、「意味の軸」で整理しましょう。
受動態 ― 「される側」から見る文
中1・中2の文はすべて「主語がする」形(能動態)でした。中3では新しく 受動態(受け身) を学びます。これは同じ出来事を「される側」から言う形です。
He wrote this book.
彼はこの本を書いた。
This book was written by him.
この本は彼によって書かれた。
1 文目は能動態「彼がこの本を書いた」。2 文目はその受動態で「この本は彼によって書かれた」。動詞の形が wrote → was written、主語が He → This book と入れ替わっています。視点を変えているだけで、言っている内容は同じです。

受動態の基本形 ― be動詞 + 過去分詞
受動態は be動詞 + 過去分詞 で作ります。be動詞は時制を担い(現在は is/am/are、過去は was/were)、過去分詞は動詞の「3 つ目の形」です。
- 原形 → 過去形 → 過去分詞
- write → wrote → written
- speak → spoke → spoken
- break → broke → broken
- make → made → made
不規則動詞は過去分詞を覚える必要がありますが、規則動詞は -ed 形が過去形と過去分詞の両方を兼ねます(play → played → played)。
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されている。
疑問文・否定文 ― be動詞のルールをそのまま使う
受動態は be動詞の文と同じ作り方で疑問文・否定文を作ります。be動詞を動かすだけ、または be + not。
- 肯定:
This letter was written by Emi. - 疑問:
Was this letter written by Emi? - 否定:
This letter was not (wasn't) written by Emi.
Was this letter written by Emi?
この手紙はエミによって書かれたのですか?
by を使わない受動態
by は「〜によって」を表しますが、by を使わない受動態 も数多くあります。慣用句として決まった前置詞を取るものです。
| 表現 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| be known to | 〜に知られている | He is known to everyone. |
| be made of | 〜でできている(材料が見てわかる) | This chair is made of wood. |
| be made from | 〜から作られている(原料が見てわからない) | Cheese is made from milk. |
| be covered with | 〜で覆われている | The mountain is covered with snow. |
| be interested in | 〜に興味がある | I'm interested in music. |
| be surprised at | 〜に驚く | She was surprised at the news. |
He is known to everyone.
彼はみんなに知られている。
This chair is made of wood.
この椅子は木でできている。
受動態は 「be動詞 + 過去分詞」。時制は be動詞が担う(is/am/are→現在、was/were→過去)。行為者は by 〜 で示すが、言う必要がないときは省略する。be known to / be made of / be covered with など、by 以外の前置詞を取る慣用受動態も多い。
第5文型 SVOC ― 目的語を「名付け直す」動詞
中2で SVC(第2文型、S = C)と SVOO(第4文型、O + O2)を学びました。中3ではさらに SVOC(第5文型) が加わります。O と C の間に「O = C」の関係が成り立つ文型です。

call / make / name / keep ― 主要な SVOC 動詞
SVOC を取る代表的な動詞は 4 つ。いずれも 「O を C と〜する」「O を C にする」 のような意味を作ります。
- call + O + C = O を C と呼ぶ …
We call him Ken.(私たちは彼をケンと呼ぶ) - make + O + C = O を C にする …
The news made me happy.(その知らせは私を幸せにした) - name + O + C = O を C と名付ける …
They named the cat Tama.(彼らはその猫をタマと名付けた) - keep + O + C = O を C のままにしておく …
Keep the door open.(ドアを開けたままにして)
We call him Ken.
私たちは彼をケンと呼ぶ。
The news made me happy.
その知らせは私を幸せにした。
him = Ken、me = happy のように O と C の間に be動詞を補える 関係になっていれば SVOC だと判断できます。
SVOO と SVOC の見分け方
どちらも動詞の後ろに 2 つの要素が並ぶので混同しやすいですが、間に be動詞を補えるか で見分けます。
| 文型 | 関係 | 例 |
|---|---|---|
| SVOO | 人 → 物(イコールでない) | I gave him a book. → × He is a book. |
| SVOC | O = C(イコール) | We call him Ken. → ○ He is Ken. |
現在完了形 ― 過去と現在をつなぐ 3 用法
中3で最も重要な新概念が 現在完了形 です。形は have / has + 過去分詞 で、「過去の出来事が今とつながっている」ことを示します。日本語には対応する形がないため、日本人が最も苦手とする時制です。

現在完了形の基本形
- 主語 + have / has + 過去分詞
- 三人称単数(he / she / it)のときだけ
has。それ以外はhave - 疑問文は
Have / Hasを文頭、否定文はhave not (haven't) / has not (hasn't)
現在完了形は意味によって 継続・経験・完了 の 3 用法に分かれ、用法によってセットで使う副詞が変わります。
1. 継続 ― 「ずっと〜している」
過去のある時点から 現在まで続いている 状態を表します。セットで使う副詞は for(期間)/ since(起点)。
- for + 期間 = 〜の間ずっと …
for ten years,for a long time - since + 起点 = 〜以来ずっと …
since 2015,since I was a child
I have lived in Tokyo for ten years.
私は10年間ずっと東京に住んでいる。
「10 年間ずっと東京に住んでいる」 ― 過去のある時から現在まで、状態が続いています。
2. 経験 ― 「〜したことがある」
過去から現在までの間に 〜した経験がある ことを表します。セットで使う副詞は ever / never / once / twice / before / been to。
- ever(疑問文で)= 今までに
- never = 一度もない
- once / twice / 〜 times = 1回 / 2回 / 〜回
- have been to 〜 = 〜へ行ったことがある(have gone to は「行ってしまってここにいない」なので注意)
I have been to Kyoto three times.
私は京都に3回行ったことがある。
「京都に 3 回行ったことがある」 ― 今までの人生経験として蓄積されています。
3. 完了 ― 「〜したところだ/もう〜してしまった」
過去の動作が ちょうど終わった/すでに完了した ことを表します。セットで使う副詞は just / already / yet。
- just = ちょうど(肯定文)
- already = すでに(肯定文)
- yet = まだ(否定文)/ もう(疑問文)
I have just finished my homework.
私はちょうど宿題を終えたところだ。
「ちょうど宿題を終えたところだ」 ― 動作が終わり、その結果が今に影響しています。
現在完了形は 「過去 → 現在までのつながり」 を表す。yesterday / last week / 〜 ago など 過去の一点を明示する副詞 とは一緒に使えない(それは単なる過去形で言う)。用法はセットで使う副詞で見分ける ― for / since(継続)、ever / never / been to(経験)、just / already / yet(完了)。
to 不定詞の応用構文
中2で不定詞の 3 用法(名詞的・形容詞的・副詞的)を学びました。中3ではさらに 決まった型 で使われる応用構文が加わります。

疑問詞 + to do ― 「何を〜すべきか」
疑問詞 what / how / when / where の後に to + 動詞の原形 を続けると、「何を〜すべきか」「どう〜すべきか」という名詞のかたまりを作れます。動詞の目的語として使うのが典型。
- what to do = 何をすべきか
- how to use = どう使うか
- when to start = いつ始めるか
- where to go = どこへ行くか
I don't know what to do.
私は何をすべきかわからない。
what to do 全体が名詞のかたまりで、know の目的語になっています。
It is ... (for 人) to do ― 「〜することは…だ」
形式主語 It を立てて、真主語の to 不定詞を後ろに置く構文です。it = to do の関係になります。「(人)にとって〜することは…だ」と訳します。
- It is easy to swim.(泳ぐことは簡単だ)
- It is important for us to study English.(私たちが英語を勉強することは大切だ)
- It is difficult for him to solve this problem.(彼にとってこの問題を解くのは難しい)
It is important for us to study English.
私たちが英語を勉強することは大切だ。
形式主語 It が「それ」という意味を持たないことに注意。本当の主語は後ろの to do ... の部分です。
want 人 to do ― 「人に〜してほしい」
want の後に 「人 + to do」 を続けると、「人に〜してほしい」という意味になります。仲間の動詞も一緒に覚えましょう。
- want + 人 + to do = 人に〜してほしい …
I want you to help me. - tell + 人 + to do = 人に〜するよう言う …
He told me to wait. - ask + 人 + to do = 人に〜してくれと頼む …
She asked me to come.
I want you to help me.
私はあなたに手伝ってほしい。
you to help me(あなたに手伝ってほしい)の部分が目的語のかたまり。中2で学んだ want to do(自分が〜したい)とは別物です。
間接疑問文 ― 疑問文を文の中に埋め込む
間接疑問文 は、疑問文を別の文の中に 名詞節として組み込む 形です。「彼がどこに住んでいるか知っている」のように、知っている・尋ねる・思うの目的語として使います。
語順が「疑問文 → 肯定文」に戻る
間接疑問文の最大のポイントは、語順が肯定文の順番に戻ることです。普通の疑問文では Does he live...? のように Does が前に出ますが、文の中に埋め込まれると 主語 + 動詞 の普通の語順に戻ります。
| 直接疑問文 | 間接疑問文(文の中に入れる) |
|---|---|
| Where does he live? | I know where he lives. |
| What time is it? | Do you know what time it is? |
| Who is that man? | I wonder who that man is. |
I know where he lives.
私は彼がどこに住んでいるか知っている。
間接疑問文では does は消え、動詞に三単現の -s が付きます(lives)。疑問文の語順のまま埋め込むのは誤りです。
Do you know what time it is?
今何時か知っていますか?
名詞を後ろから修飾する ― 4 つのパターン
英語で最も日本語と違う感覚が後置修飾です。日本語は「赤い → 花」のように名詞の前に説明を置きますが、英語では名詞の後ろに説明を伸ばします。中3では 4 つの後置修飾パターンを学びます。

1. 現在分詞(-ing)― 「〜している」
動詞の -ing 形 を名詞の後ろに置くと、「〜している〜」という意味で前の名詞を説明します。
The boy running in the park is my brother.
公園で走っている男の子は私の弟だ。
the boy running in the park(公園で走っている男の子)。running in the park の部分が the boy を後ろから修飾しています。
2. 過去分詞 ― 「〜された」
動詞の過去分詞形 を名詞の後ろに置くと、「〜された〜」という受け身の意味で前の名詞を説明します。
This is a book written by Soseki.
これは漱石によって書かれた本だ。
a book written by Soseki(漱石によって書かれた本)。written by Soseki が a book を修飾しています。
3. 接触節(主語 + 動詞)― 関係代名詞の省略
名詞の後ろに 「主語 + 動詞 …」 を直接続けると、「(主語)が〜する〜」という意味で前の名詞を説明します。これは関係代名詞(目的格)の省略形で、接触節 と呼ばれます。
The book I bought yesterday is interesting.
私が昨日買った本は面白い。
the book I bought yesterday(私が昨日買った本)。I bought yesterday が the book を修飾しています。
4. 関係代名詞 ― who / which / that
関係代名詞 は名詞(先行詞)の後ろに節(主語 + 動詞 …)をつなぐ専用の接続語です。先行詞によって使う語が変わります。
| 先行詞 | 主格 | 目的格 |
|---|---|---|
| 人 | who / that | (省略可)/ that |
| 物・動物 | which / that | (省略可)/ that |
I have a friend who lives in Osaka.
私には大阪に住んでいる友達がいる。
This is the book which I bought yesterday.
これは私が昨日買った本だ。
先行詞が人(a friend)なので、関係代名詞は who / that を使います。物用の which は誤り。
後置修飾は 「名詞 ← 説明」 の向き。日本語と順序が逆になる。修飾の形は 現在分詞 -ing(〜している)、過去分詞(〜された)、接触節(主語+動詞)、関係代名詞 who / which / that の 4 種類。先行詞が人なら who、物なら which、両方 OK が that。
前置詞の整理 ― 位置・時間・方向の 3 軸
前置詞は中1から少しずつ登場してきましたが、中3段階で 用法を 3 軸で整理 しておくと暗記量が激減します。

位置の前置詞 ― at / in / on
- at = 点(特定のピンポイント) …
at the station,at 7 o'clock - in = 中(空間・期間の内側) …
in the room,in May,in 2026 - on = 接触(面に触れている) …
on the desk,on Monday
時間の前置詞 ― at / on / in / for / since / by / until
- at = 時刻 …
at 7:00 - on = 日・曜日 …
on Sunday,on July 1 - in = 月・年・季節 …
in April,in 2026,in summer - for + 期間 = 〜の間 …
for three years - since + 起点 = 〜以来 …
since 2015 - by = 〜までに(期限) …
by 5 p.m. - until / till = 〜までずっと(継続の終点) …
until 10 p.m.
方向・関係の前置詞 ― to / for / with / of / about
- to = 〜へ(到達点) …
go to school - for = 〜のために・〜に向けて …
a gift for you,leave for Tokyo - with = 〜と一緒に・〜を持って …
with my friend,a girl with long hair - of = 〜の(所属・部分) …
a friend of mine,a cup of tea - about = 〜について …
talk about the movie
I talked with my friend about the movie for an hour.
私は友達と1時間その映画について話した。
よくある誤用例
誤用 1: 受動態で過去分詞を過去形にしてしまう
受動態は be動詞 + 過去分詞。write の過去分詞は written。過去形 wrote ではありません。正しくは This book was written by him.
誤用 2: 現在完了形と過去の一点の副詞を併用
現在完了形(have + 過去分詞)は 過去の一点を指す副詞(last year / yesterday / 〜 ago)と一緒に使えません。その場合は単なる過去形にします ― I went to Tokyo last year.
誤用 3: 間接疑問文で疑問文の語順のまま埋め込む
間接疑問文の中では 肯定文の語順 に戻します。正しくは Do you know where the station is?
誤用 4: 先行詞が人なのに which を使う
先行詞が人(friend)なので関係代名詞は who / that を使います。which は物・動物用です。
誤用 5: by を使わない受動態で by を付ける
「〜に興味がある」は be interested in。前置詞は in で固定です。by を機械的に付けるのは誤り。
- 受動態は「be + 過去分詞」。時制は be動詞が担う
- 現在完了と過去形は別物。過去の一点を指す副詞(yesterday / last week)は現在完了では使えない
- 間接疑問文は肯定文の語順に戻す(do/does は消える)
- 後置修飾は「名詞 ← 説明」の向き。英語は名詞の後ろに説明が伸びる
- 関係代名詞は先行詞で決まる ― 人→who、物→which、両方 OK が that
まとめ
- 受動態 = be動詞 + 過去分詞。「される側」から言う形。by 以外の前置詞を取る慣用受動態も重要
- SVOC = call / make / name / keep など。O = C の関係を作る
- 現在完了 3 用法 = 継続(for/since)・経験(ever/never/been to)・完了(just/already/yet)
- to 不定詞の応用 = 疑問詞+to、It is ... to、want 人 to の 3 パターン
- 間接疑問文 = 疑問文を肯定文の語順に戻して埋め込む
- 後置修飾 4 パターン = 現在分詞・過去分詞・接触節・関係代名詞。名詞の後ろに説明が伸びる
- 前置詞 = 位置(at/in/on)・時間(at/on/in/for/since)・方向(to/for/with)の 3 軸で整理
中3の英文法は、視点を切り替える(受動態)、時間をつなぐ(現在完了)、名詞を拡張する(後置修飾・関係代名詞) の 3 つが大きなテーマです。これらをマスターすれば、中学英語で触れる文法はすべて揃い、高校英語の出発点 に立てます。
中1・中2・中3 の 3 記事を通して、主語 + 動詞 という骨格から始まった英文が、どこまで表現を広げていくかを振り返ってみてください。英文法は「暗記」ではなく「意味の軸で整理された道具箱」として捉え直すことで、格段に使いやすくなります。
